
VR ゴーグルをつけてプールでゲーム

VR ゴーグルをつけてプールでゲーム
当初の計画はこうだ。重力から解放された水中でVRゲームをすると、日常生活で姿勢やバランスを保つのに用いるインナーマッスルが使われるため、通常の運動が難しい高齢者や障害者も安心して運動機能を向上させることができる。高齢者や障害者を中心とした被験者90人について、筋電図で筋肉の動きを計測、どの筋肉がどれほど使われたかを数値化し、市川発の高齢者用エクササイズとして全国的に普及するーはずだった。
質問したのは越川雅史市議だ。
「市の男性職員11人がプールに入って、VRゲームをやっただけ。筋電図の計測もなければ数値化もない。当然、インナーマッスルが使われたかどうかを確認するすべもありません。事業者から提出された成果報告書を見て驚きました。被験者にアンケートした結果は『楽しかった』『時間が短く感じた』『もっと長く続けたかった』だけ。これをもって『プールVRが身体と脳にポジティブな影響を与えることが証明できた』というんですか」
プールには底があるが、このデタラメぶりは底無しではないか。
いちかわ未来創造会議は、村越祐民市長が就任後、自らが提唱し、設置された。「会長に始まりメンバー全員、村越市長の一声で集められ、職員らは訳がわからなかった」(市役所関係者)というほどの肝いりである。問題の社会実証実験は、「健康なまちづくり」をテーマに地域が抱える課題を解決し、地域住民にとって便利で暮らしやすいまちの実現を図りながら、研究者やスタートアップが抱える実証フィールドの不足を解消し、科学・技術の社会実装とさらなる発展を目指す、とされている。未来創造会議が先端技術の実証実験を検討しているスタートアップ企業や研究者を公募し、24件の応募から13件が選定され、そのうち3件に計画が優秀だったとして賞賜金50万円が贈られた。

これが成果報告書の全て。与野党分かれて議論するのも馬鹿馬鹿しい